HVJ Envelope VECTORによるトランスフェクションの原理と特長の紹介です。

HVJ Envelope内にトランスフェクションしたい分子を封入し、HVJ Envelope VECTORとします。HVJ Envelope VECTORを標的細胞あるいは組織に接触させると、HVJ膜エンベロープのHNタンパクが、標的細胞膜上のシアル酸レセプターと特異的に結合し、細胞と接触します。その後、Fタンパクの働きによって膜融合が起こり、細胞質へ導入したい分子を直接導入します(下図)。

*膜融合による導入のメリット

カチオン性脂質を主成分とした一連の非ウイルス性トランスフェクション試薬では、貪食作用によって細胞内に取りこまれた際、導入分子の多くがリソソームによって脂質とともに分解されてしまいます。
HVJ Envelope VECTORの導入原理では、リソソームによる分解を受けることがないので、高い導入効率につながります。また、HVJ Envelopeが細胞に結合するために必要なシアル酸レセプターは、ほとんどの動物細胞・組織の細胞膜上に存在するとされており、幅広い対象に対しての適用を可能にしています。

カチオン性脂質によるトランスフェクション

1.非ウイルス性だから安全

  • HVJ Envelopeは、材料としてはセンダイウイルスを用いていますが、センダイウイルスのゲノムRNAは完全に不活化されており、ヒトや実験動物への感染性や増殖性はありません。非ウイルス性のトランスフェクションツールとして、特殊な操作や設備を必要とせず、通常の実験室レベルで安全に使用できます。

2.多様な分子の導入が可能

  • プラスミドDNAなど遺伝子はもとより、オリゴヌクレオチド、ペプチドや抗体などの各種タンパク質に至るまで、様々な分子をHVJ Envelopeの中に封入してトランスフェクションを行うことが可能です。

  • 膜融合による導入原理により、化学修飾を施すことなく直接細胞質内に導入するので、機能発現が良好です。特にアンチセンスオリゴやsiRNA、各種タンパク質の機能解析において強みを発揮します。また、複数種類の分子を同時に封入することも可能で、ハイスループットスクリーニング用途にも対応できます。

3.広範な適用

  • 接着性・浮遊性の各種培養細胞、初代培養細胞への適用が可能です。

  • 既存のトランスフェクション試薬では困難だった、動物個体(in vivo)への適用が可能です。

  • 封入する分子の種類と導入する対象の組み合わせで、様々な用途への適用が期待できます。

4.簡便・迅速な操作性

  • HVJ Envelopeに分子を封入し、標的細胞や組織に処理するだけの簡単な操作。
    HVJ Envelopeと各種補助試薬(封入エンハンサー、封入剤、導入エンハンサー、緩衝液)をキット化し、すぐにご使用できる形にしたのがHVJ Envelope VECTOR KIT "GenomONETM"シリーズです。

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