見えない黒
感じる可能性
超低反射率構造漆黒顔料
LUSHADE® BLACK
可視光を99.0%以上吸収する顔料、LUSHADE® BLACK。
塗装面に形成される特殊な構造が、見たことのない世界を生み出します。
さらに、可視光を抑えることで得られる効果は、光の反射がアプリケーションのスペックを制限してしまう限界を解き放ち、製品をより高いレベルへ押し上げます。
黒を超える漆黒。
機能と個性を併せ持つ革新的な素材の誕生です。
得られる効果 Benefits
可視光を封じ込める、
漆黒の美
光反射があるから形が見える。では、極限まで反射を抑えることができたなら?
まだ誰も経験したことのない「低反射率」だから、アートやエンターテイメントの世界に新たな可能性が拡がります。
1.0%以下の超低反射率が生み出す、艶の無い漆黒
真昼の暗闇
光反射率1.0%以下だから、開放空間のなかに暗闇を創り出すことが可能に。
限りなく黒に近い黒
従来の「黒の深みが足りない」「やや赤みがある黒」を解決します。
形を消して平面に
光の反射散乱光がほぼゼロだから、物体の形を消し去ることができます。
99.0%を超える、光吸収特性
特殊なウニ棘構造により、可視光の99.0%以上を吸収。光反射を制御できるから、光学技術や意匠設計などの分野で高いパフォーマンスを発揮します。
反射率1.0%以下の「漆黒」が
生み出す、迷光防止機能
※迷光とは、光の反射や散乱による視界への悪影響を意味します。
レンズ・光学技術
超低反射性能が叶えるのは、迷光に起因するセンサー解像度や感度のパフォーマンス。ベーリングフレアや露出オーバーなどの改善に。
車載用デバイス
カーナビ画面やデジタルメーター、ヘッドアップディスプレイ(HUD)など、光の反射・散乱を防ぐコーティング顔料として。
宇宙関連技術
光の反射を抑えることで宇宙空間での観測機器の精度向上、赤外線反射の特性を活かした遮熱効果が期待されます。
1.0%以下の低反射率、
光沢値0.0を実現
ウニ棘構造により、
可視光の99.0%以上を吸収
当社が独自に開発したLUSHADE® BLACKは、ウニ棘状の表面構造をもつ硫化ビスマス黒色顔料。
そのメカニズムは、トゲのすき間に可視光が入ることで、多重散乱して減衰。光をほぼ反射することなく吸収することができます。
高い可視光吸収率と
赤外線を反射する黒色顔料
赤外線の反射率が高いため、塗装表面の温度上昇を抑える効果があります。 また、赤外線反射を利用したLiDAR技術への応用も期待されます。

※1550nmLiDAR装置Falcon(Innovasion Inc.)を使用して撮影
分散体での供給が可能なため
塗料化が容易
容易な分散加工で世界最高水準の低反射率が実現可能です。
超低反射率構造漆黒顔料
ほぼすべての可視光を吸収。
限りなく黒に近い黒
当社の独自技術を駆使して生み出した硫化ビスマス黒色顔料は、構造をウニ棘状にすることで限りなく黒に近い黒を生み出し、1.0%を下回る低い反射率と光沢値0.0を達成しました。
そのメカニズムはトゲの構造に可視光が多重散乱して減衰、ほぼ反射することなく吸収する表面構造にあります。
LUSHADE® BLACKは、光の反射散乱光がほぼゼロであり、どのような形状からも光が返ってこないため、あたかも平面のように認識されます。
容易に塗料化とスプレー塗装が可能
表面構造の形状がいかに重要かを示すデータがあります。
顔料分散体での供給が可能なため、市販のバインダーとの混合により容易に塗料化とスプレー塗装が可能。この技術により、限りなく黒に近い黒を生み出しています。
赤外線は高反射、
塗膜表面の温度上昇を抑える
もう一つの特長として、赤外線の帯域は反射率が高く、塗膜表面の温度上昇を抑える効果があります。これらの特長を活かし、スマートフォンや車のセンサー、カメラなど私たちの生活に欠かせないものに活用することが期待されます。
開発ストーリー Story
既存の黒色遮熱顔料では赤外線反射性能は高いものの、赤みがかった色合いが課題とされていた。この問題を解決するため、「カーボンブラックに匹敵する黒色度」と「赤外線反射」を兼ね備えた黒色顔料を目指し、開発がスタートした。
この2つの開発目標を実現するため、硫化ビスマスという素材に注目した。この物質は黒色の色調でありながら赤外線を反射する特性を持ち、遮熱およびLiDAR技術に適応可能な特性を示す。もう一つのカギは自然界の神秘的なデザインにあった。フウチョウ科に属する鳥の一部には入射光の99.95%を吸収する羽の構造を持ち、この構造を顔料の合成技術で再現できたことから、自然界の神秘を新製品に採り入れることになった。
開発当初はまだ光沢の残る黒色ではあったが、いままでの黒色とはまったく異質なものであり、顔料構造を突き詰めることで黒色度と低光沢の両立の可能性を見出した。さらに、光沢を極限までに抑えることができれば、光学分野における迷光防止を実現できることから、可視光の感度向上による解像度を高める新たな価値提供を目指して、顔料構造をさらに進化させた。
その結果、光反射率1.0%以下、光沢値0.0の超低反射率の実現に成功。この特性であれば光学分野における迷光防止機能に対応でき、さらにこの新型黒色顔料は被塗物のカタチを消し去るように見えることから、これまで私たちが経験したことのない視覚効果を生むことになる。意匠性においても新たな価値を創造することが考えられる。
LUSHADE® BLACKの漆黒は意匠性において、無限の深淵をイメージさせる黒を超えた黒、光学分野における精密機器の性能向上、LiDAR技術への適応など、多くの分野で新境地を切り拓く革新的材料となり得る素材です。
Q&A
Q. 塗料での販売はありますか?
塗料販売はございません。
溶剤分散体での出荷となるため、お客様で塗料への加工が必要です。
塗料へ加工する方法をご案内できます。詳細な資料でご説明しますので、お問い合わせください。
Q. 溶剤は何を使っていますか?
PGME(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を使用しています。
Q. 出荷される荷姿は?
ペール缶で出荷いたします。内容量は10kg(溶剤分散体)です。
Q. 顔料成分は沈殿しますか?
長期間保管すると沈殿します。ご使用前に攪拌すると、再度分散します。
トピックス Topicks
- 2025.1.31
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展示会へのご来場、誠にありがとうございました
「第39回 ネプコン ジャパン」にて、当社の超低反射率漆黒顔料「LUSHADE® BLACK」を展示しました。多くのお客様にお越しいただき、誠にありがとうございました。
展示会では、LUSHADE® BLACKの特性や用途について多くのご関心をいただきました。今後も皆さまの製品開発に役立つ情報発信や製品展開を進めてまいります。展示会の様子
当社ブース写真
展示サンプル:ゴルフボール
(奥:一般黒色塗料、手前:LUSHADE® BLACK) - 2025.1.22-24
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「第39回 ネプコンジャパン」 に出展いたします。
期間:2025年1月22日(水)~ 24日(金)
会場:東京ビッグサイト 東7ホール
小間番号:E68-28
https://www.nepconjapan.jp/tokyo/ja-jp.html#/