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研究内容 ―有機化学部門―

農薬部門

深刻化する食糧問題に、農薬という「生命を育む化学」で貢献し続けます。

「将来に亘って世界の食料を安定的に確保するために、農薬は必要欠くべからざるものである」という共通認識を持って、私たちは、安全で効果の高い農薬の開発を目指して研究開発に取り組んでいます。

新規な農薬の探索研究を担当する合成研究室、新しい手法を用いて新規農薬活性化合物の探索を行う基盤技術研究室、合成された化合物の生物評価を行い、開発剤のフェーズアップ、既存剤の適用拡大を推進する生物科学研究室、開発剤の製造プロセスを研究する工業化研究室、薬剤の性能を引き出す処方を検討する製剤研究室、初期安全性を評価する安全科学研究室、の各研究室が有機的に繋がり、新規薬剤の迅速な創製、開発を目指しています。

新規農薬の創製研究に関しては、トリフルオロメチルピリジン誘導体などに代表される定評のある有機合成技術に加え、コンピューター支援薬剤設計、生物科学・分子生物学的な研究手法などを重層的に織り交ぜながら、独創的な新薬の創製を目指して不断の努力を続けています。

また、創製された新規農薬を世界的に開発するため、安全科学研究室を中心として、安全性評価や環境科学分野の研究を通して、各国での迅速な登録取得を支援しています。

このような私たちの努力は、数多くの薬剤の世界各国での開発・登録・商業化・販売という形で実を結んでいます。

写真:農薬部門(1)

写真:農薬部門(2)

写真:農薬部門(3)

現在販売中の中研で創製された農薬(一般名、日本商品名、日本登録年の順に記載)
水田用除草剤
ピラゾキシフェン 「パイサー」 1985年
ワンベスト、ワンオール、トビキリジャンボの母剤。農作業の省力化に応え、広範囲の雑草を長期間にわたって抑える混合剤を提供。
畑作・果樹・芝用除草剤
フルアジホップP‐ブチル 「ワンサイドP」 1986年
一年生から多年生に至るまで、広範囲なイネ科雑草に対して強力に作用。ダイズ、ワタ、ビートなどの広葉作物栽培畑で世界的に使用。
フラザスルフロン 「シバゲン」 1989年PDF
スルホニルウレア系の除草剤。果樹園ならびに暖地型芝地や非農耕地を対象に、極低薬量で広範囲な雑草の長期防除が可能。
ニコスルフロン 「ワンホープ」 1994年PDF
スルホニルウレア系のトウモロコシ専用の茎葉処理剤。イネ科雑草および広葉雑草を同時に防除できる。日本のほか、ヨーロッパ、中南米など世界の主要市場において高い評価。
殺虫剤・殺線虫剤
クロルフルアズロン 「アタブロン」 1988年PDF
昆虫の表皮に含まれるキチンの生合成を阻害する作用を持つ昆虫成育制御剤(IGR剤)の草分け的存在。鱗翅目、アザミウマ目や半翅目の幼虫に高い殺虫力。
ホスチアゼート 「ネマトリン」 1992年PDF
低毒性有機リン系殺線虫剤。低濃度で線虫の各発育ステージに有効な非くん蒸型薬剤。適度な土壌残効性を有す。植物体内で優れた浸透移行性を有することから、土壌処理でハダニ類、ミナミキイロアザミウマ、オンシツコナジラミなどの地上害虫にも有効。
フロニカミド 「ウララ」 2003年PDF
天敵や訪花昆虫に影響が少なくIPMに適合した殺虫剤。吸汁性害虫(半翅目やアザミウマ目)、特にアブラムシに高い活性を有する。吸汁行動を阻害することによって防除効果を発揮するユニークな作用。作用機作は既存剤と異なり抵抗性系統にも有効。
殺菌剤
フルアジナム 「フロンサイド」 1990年PDF
幅広い殺菌スペクトルを有するピリジナミン系の保護殺菌剤。他剤に感受性が低下した病害や難防除の病害(果樹紋羽病、アブラナ科野菜根こぶ病ほか)にも有効。殺ダニ活性もあり。日本のみならず、海外(ヨーロッパほか)でも高い評価(ジャガイモ疫病など)。
シアゾファミド 「ランマン」 2001年PDF
フェニルイミダゾール系骨格を有する殺菌剤。選択性が高く、植物病原菌の卵菌綱(べと病、疫病)およびネコブカビ綱(アブラナ科野菜の根こぶ病)に有効。新規な作用機構(ミトコンドリア内の電子伝達系ComplexIIIのQiサイトを阻害)。
生物農薬 施設園芸でのハダニ、オンシツコナジラミ、アブラムシ、ハモグリバエ防除に有効な天敵、チリカブリダニ、オンシツツヤコバチ、コレマンアブラハチ、イサエアヒメコバチによる環境保全型農業の実現を支援
研究業績
日本農薬学会賞[業績賞]
1987年
除草剤「フルアジホップ」の開発
1988年
昆虫成育制御剤「クロルフルアズロン」の開発
1998年
殺線虫剤「ホスチアゼート」の開発
2000年
除草剤「ニコスルフロン」の開発
2004年
殺菌剤「シアゾファミド」の開発
大河内記念技術賞
1989年
生理活性物質の有用中間体としての2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン(2,5-CTF)の工業的製造法の開発
農林水産大臣賞
1993年
2,4-Dの導入と粒剤化(2,4-D産官学研究グループ)

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生命科学部門

人の「生命を守る科学(ライフサイエンス)」をテーマとしています。

生命科学研究室では、“酸化チタン”の医療用途への応用研究およびバイオ試薬に関する研究開発に取り組んでいます。

研究開発内容、および取り扱い製品
医療材料 無機関連技術の医療用途への応用研究は近年盛んになっています。石原産業の主力製品である“酸化チタン”は多くの興味深い特性を有しています。中でも「生体活性能」は整形外科領域への医療用途に適した特性として注目されています。生命科学研究室では京都大学との産学共同開発を行いながら、生体活性骨セメントの早期実用化を目指し、開発研究に取り組んでいます。
バイオ試薬(HVJエンベロープベクターキット“GenomONEシリーズ”)

大阪大学と同大学発バイオベンチャーとの産学共同開発の成果として、2002年4月から遺伝子機能解析用トランスフェクションキット“GenomONE”を、2003年9月からは新製品“GenomONE-Neo”の自社製造・販売を開始しました。 その後、生命科学研究室では同製品”HVJエンベロープ”のコア技術を利用した更なる高性能化研究に取り組み、これまでに一連のユニークな商品群を生み出してきました。現在では国内のみならず、世界23カ国のユーザーに利用され、医療・生命科学分野での研究開発の進展に貢献しています。

【GenomONEシリーズ製品群】

2002年4月
GenomONE(遺伝子・タンパク質導入キット)
2003年9月
GenomONE-Neo、GenomONE-Duo(同上)
2006年2月
GenomONE-CF(細胞融合用キット)
2007年1月
GenomONEシリーズの海外展開
2007年10月
GenomONE-CAb(IgG抗体導入キット)
2011年12月
GenomONE-Si(siRNA/miRNA導入)キット

写真:生命科学部門(1)

写真:生命科学部門(2)

写真:生命科学部門(3)