有機化学事業
農薬
人々が求める食糧確保のために。
日本でやっとテレビのカラー放送が始まった1960年の世界人口は、約30億人。それから約60年で、人口は約80億人にまで増えています。しかし一方で、穀物の収穫面積はわずかに広がっただけ。2倍以上に増加した人々が求める食糧を確保できたのは、農業技術の進歩があったからだと言われています。経営手法や農業機械の進歩も大きな要因ですが、農薬や肥料などの化学分野の貢献が大きいのも事実です。
自然を相手とする農業は、作物を侵す病害や虫類から農家が目指す収量の確保をサポートする技術が不可欠になっているのです。国連によると、日本ではすでに人口が減少に転じているのに対し、2080年代の世界人口は約104億人。以降も同水準で推移すると予測されています。この人口が求める食糧を確保するためには、あらゆる分野でさらなる技術革新が必要となることは間違いありません。石原産業が担う農薬分野においても、環境負荷が少なく、安全で質の高い薬剤が求められているのです。
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地道な検証が安全な製品に
農薬は実際に作物に使用したことで、どのような影響が起こるかを数年かけて見極めることが必要です。さらに安全性の担保、環境への影響、生産性を加味したうえで製品化することから、開発に10年以上もの歳月が必要です。
石原産業は、日本で最初に化学農薬の技術を導入し農薬の開発に着手して以降、これまで数多くの除草剤、殺菌剤、殺虫剤、殺線虫剤、植物成長調整剤を開発してきました。また、化学農薬を補完する病害虫の防除技術として期待されている生物農薬の分野にも展開を拡げています。石原産業の農薬は、国内はもちろん、海外への輸出も多く、その輸出額は国内トップクラスです。それは、世界で最も厳しい環境および安全性に関する基準を設定する米国、欧州市場に早くから進出し、高い評価を得た結果にほかなりません。
人類の繁栄を支えるのは食。石原産業は、これからも高い技術開発力で安全性を追求、食糧の安定供給を支え、世界の将来を担い続けます。