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製品情報

機能材料

光触媒酸化チタン

酸化チタンは元来、光(紫外線)エネルギーを受けると活性を帯び、強い酸化作用を発揮する物質です。

塗料、プラスチック用途などに用いられる顔料酸化チタンでは、通常、TiO2表面に無機物(一部有機物)表面処理を施すことにより、この活性を強固に押さえ込んだ状態で使用しますが、光触媒材料では、この本来の活性を最大限に利用しています。

光の働きによって有機物を主体とした汚染物質や臭いの成分(主として有機化合物)を炭酸ガスと水などに酸化分解したり、光誘起超親水性により物質表面の水に対する親和性を高め、防曇、防汚、セルフクリーニング性も付与することができます。しかも光活性機能はその再生作用により持続します。

当社光触媒酸化チタンST、STSシリーズは、独自の工業的製造法を確立し、この光触媒活性を更に高め製品としたものです。

(可視光応答型光触媒)

可視光も効率よく利用でき蛍光灯光源でも高い光触媒作用が発現できます。

※水分散体も用意しております。(リーフレット併記)

(リーフレット)

下図の枠内(→がついた枠内)をクリックしてください。

図:酸化チタン光触媒の実用形態

光触媒粉体

光触媒ゾル

コーディング剤

図:酸化チタン光触媒の応用分野

大気浄化

防汚防曇

抗菌

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光触媒酸化チタン 粉体 STシリーズ

1. ST粉体の銘柄一覧

種々の粒子径及び吸着特性を有する粉体を取り揃えております。

銘柄 X線粒径(nm) 比表面積(m2/g) 活性 特徴
ST-01 7 300 光触媒活性が最も高い
ST-21 20 50 活性が高く分散性に優れる
ST-31 250 ガス吸着性能に優れる
ST-41 200 10 分散性に優れる

2. STシリーズの粒子形状(透過型電顕写真)

ST-01(倍率40万倍)

写真:ST-01(倍率40万倍)

ST-21(倍率40万倍)

写真:ST-21(倍率40万倍)

ST-41(倍率10万倍)

写真:ST-41(倍率10万倍)

3. STシリーズの粉体性能比較

気相系(アセトアルデヒド)

グラフ:気相系(アセトアルデヒド)

(反応条件)
光源・光量:ブラックライト 0.5mW/cm2
TiO2量:4g/L
照射面積:24cm2
反応容器:2.8L

液相系(イソプロピルアルコール)

グラフ:液相系(イソプロピルアルコール)

(反応条件)
光源・光量:ブラックライト 2.0mW/cm2
照射面積:24cm2
反応容器:80mL

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光触媒酸化チタン 水分散体 STシリーズ

分散性及び酸性及び中性の水分散体を取り揃えております。

銘柄 TiO2濃度(wt%) X線粒径(nm) pH 特徴
STS-01(ゾル) 30 7 1.5 硝酸酸性で分散性に優れる
STS-02(ゾル) 30 7 1.5 塩酸酸性で分散性に優れる
STS-21(スラリー) 40 20 8.5 弱アルカリ性で取り扱い性に優れる

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光触媒酸化チタン コーディング剤 ST-Kシリーズ

ST-Kシリーズは、無機系バインダーを使用した光触媒コーティング剤です。
透明性が高いコート膜が出来るので、意匠性基材表面の防汚・抗菌効果が期待できます。

1. ST-K200シリーズ(トップコート剤)

ST-K200シリーズは、光触媒酸化チタンを原料とした超親水性塗膜用コーティング剤です。超微粒子のチタニアゾルを使用しているため、高硬度で透明な塗膜が得られます。

塗膜表面は太陽光に含まれる紫外線によって親水化し、防滴性、防曇性、セルフクリーニング性、易洗浄性などの効果が現れます。

銘柄 固形分
(wt%)
外観 粘度
(mPa・s)
溶媒 特徴 効果
ST-K211 0.2 乳白色 1~5 アルコール・水 焼付任意室温
~500℃
セルフクリーニング防曇、防滴、易洗浄

2. ST-K100シリーズ(アンダーコート剤)

ST-K100シリーズは専用のアンダーコート剤で、基材との密着性、塗膜特性を向上させます。特に基材が有機物の場合には、光触媒作用による基材の分解劣化を抑えます。

銘柄 固形分
(wt%)
外観 粘度
(mPa・s)
溶媒 特徴 効果
ST-K101 10 透明 2~5 アルコール・ケトン 高温焼付け型
180~200℃
金属板(無垢)
セラミック
ST-K102a
ST-K102b
(2液型)
10
(2液混合時)
透明 2~5 アルコール・ケトン 低温焼付け型
80~120℃
有機塗装板
アルマイト

ST-K102混合(等量混合)後は、その日の内に使い切るようにお願い致します。

3. コーティング剤組み合わせ例

コート剤 銘柄 ガラス セラミックス アルミニウム ステンレス 塗装板 PC アクリル板
トップコート ST-K211
アンダーコート ST-K101 - (○) - - -
ST-K102 - - - -

焼き付け温度は基材の耐熱温度により決定

超親水性塗膜の物性
試験項目 試験方法 外観
ガラス アルミニウム ステンレス
超親水性 ブラックライト照射(0.5mW/cm2-24hr)後の水接触角 0 0 0
64時間後の水接触角 5 > 5 > 5 >
密着性 碁盤目テープ剥離試験
残存率
100/100 100/100 100/100
鉛筆硬度 三菱鉛筆ユニ試験用 9H H 2H
耐沸騰水性 耐沸騰水浸漬 変化なし
(24hrs)
変化なし
(24hrs)
変化なし
(24hrs)
促進耐候性 サンシャインウエザーメーター 変化なし
(1500hrs)
変化なし
(1500hrs)
変化なし
(1500hrs)

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光触媒作用の起きるわけと光触媒酸化チタン材料の特徴及び光親水機能

1. 光触媒作用

代表的な半導体であるTiO2はバンドギャップ以上の光(波長<380nm)を照射することにより、正孔と電子が発生します。この発生した正孔や電子が酸素や水酸化物イオンと反応し、水酸化物ラジカルやスーパーオキサイドアニオンを生成します。これらの化学種の酸化力は非常に強いので、有機物やNOxを酸化分解し、除去します。

図:酸化チタン光触媒の作用機構

2. 酸化チタン光触媒の特徴

  1. 酸化力が非常に高い
    酸化チタン光触媒作用で発生する酸化種OHラジカルは、下表1に示されるように酸化ポテンシャルが高いことから、酸化チタン光触媒は高い酸化力を発現できます。
  2. 化学的に安定である
    他の半導体光触媒化合物は水溶液中で光照射されると溶解するのに対して、酸化チタンは溶解しないため安定です。また、酸化チタンはほとんどの酸、塩基、有機溶媒に対しても侵されないため、化学的に安定です。
  3. 不活性である
    酸化チタンは中毒や発ガン性もなく、生理的に不活性です。

グラフ:代表的な半導体のエネルギーダイアグラム

(参考文献/坂田忠良:化学総説No.39 無機光化学p.123(1988)(社)日本化学会編集((株)学会出版センター発行)

表1. 酸化剤の酸化ポテンシャルの比較

酸化剤 反応 酸化電位(V)
フッ素 F2+2e=2F- 2.87
OHラジカル OH・+H++e=H2O 2.80
オゾン O3+2H++2e=H2O+O2 2.07
過酸化水素 H2O2+2H++2e=2H2O 1.77
過マンガン酸 MnO4-+8H++5e=Mn2++4H2O 1.51
次亜塩素酸 HClO+H++2e=Cl-+H2O 1.50
塩素 Cl2+2e=2Cl- 1.36
酸素 O2+4H++2e=2H2O 1.23

3. 光誘起超親水性

光触媒作用により表面の汚れ成分が除去され、その後、空気中の水分が酸化チタン表面に吸着し、親水化表面が形成されます。

親水性表面では、付着水分は水滴とならず薄膜となるため、防曇性が発現したり、汚れそのものが付着しにくくなります。また、付着した汚れも流水による洗浄で簡単にとれやすくなります。

この作用を光誘起超親水性とよび、光触媒作用の新しい機能として、現在下表のような分野に展開、注目されています。

図:超親水性の作用機構

図:応用~超親水性~

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光触媒 大気浄化

自動車の排気ガスに含まれるNOxは大きな環境問題となっています。

この問題に対して、酸化チタン光触媒を利用したNOx酸化除去法が検討されています。

実際の環境で利用する場合は、大面積を得られるビル壁、道路の防音壁、側壁などに直接塗料を塗布する形態が有効であることから、光触媒塗料の開発が進められています。

当社では、代表的な道路資材であるセメント材料に酸化チタン光触媒を配合することでNOx除去能力が大幅に向上することを見出しており、太平洋セメント株式会社と共同開発を行い、セメント系仕上げ塗材STコートを製品化しました。写真1には、STコートの塗布現場と実際の浄化試験現場を載せています。

写真1. STコートの塗布現場

写真1. STコートの塗布現場

また、透水性、低騒音性を有する高機能舗装表面にSTコート層を設け、道路面でのNOx浄化を行う“フォトロード工法”を、フジタ道路、株式会社フジタ、太平洋セメント株式会社と共同開発しております。写真2には、フォトロード工法によって塗布されたアスファルト路面の様子(明るい灰色の部分)を載せています。

写真2. フォトロード工法

写真2. フォトロード工法

【NOx浄化性能の標準試験方法】

光触媒NOx浄化の性能測定は、現在、JIS規格JIS R1701-1:2004によって標準化されており、各種材料はこの標準試験方法により、相対的な材料特性を見積もることができるようになりました。

簡単な手順を下記に示します。

JIS R1701-1:2004
光触媒材料の空気浄化性能試験方法
第1部:窒素酸化物の除去性能

図:装置構成

図:試験手順

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防汚・防曇

防汚

光触媒による分解作用及び超親水性効果により、汚れ物質の付着を抑制し、いつまでも表面をクリーンな状態に保ちます。

この用途には、光触媒コート剤(ST-Kシリーズ)が適しています。

図1. 光触媒コートを施したPCM基板の防汚効果(ST-K211塗布:6週間屋外暴露)

非塗布

写真:非塗布

塗布

写真:塗布

図2. 光触媒防汚コーティングの実例

図2-1. 光触媒コート剤とその他材料との比較
(H16年現在で6年経過)

図2-1. 光触媒コート剤とその他材料との比較

図2-2. 当社社員寮の外壁(北壁)へ塗布
(H16年現在で4年経過)

図2-2. 当社社員寮の外壁(北壁)へ塗布

図3. 有機色素の分解(ガラス基板にST-K211塗布:紫外線照射後)

図3. 有機色素の分解

塗布

非塗布

防曇

物質表面の曇りは微粒の液滴の生成が原因です。

光触媒作用は、また、基材表面の水に対する濡れ性を良くする効果(表面に対する水の接触角が非常に小さくなります)があり、表面での液滴生成を抑え、表面を曇らないようにします。

ST-K211コート膜の光照射による接触角変化

グラフ:ST-K211コート膜の光照射による接触角変化

(実験条件)

ST-K211をガラス基板へコート(膜厚:0.5µm)
光源・光量:ブラックライト 1mW/cm2

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光触媒 抗菌

最近、病原性大腸菌の問題など細菌などによる感染症が問題となっています。

光触媒作用は、細菌の増殖を抑制し、細菌などの増加を防ぎます。ST-Kシリーズを表面に塗布することにより抗菌効果を発揮します。

光触媒抗菌効果は銀系抗菌剤とは異なり、“光”を必要としますが、大腸菌の死滅時に発生する毒性のあるエンドトキシンを光触媒作用により分解可能であることが特徴です。

ST-K211コートガラスの抗菌効果(膜厚:0.35µm)

グラフ:ST-K211コートガラスの抗菌効果(膜厚:0.35µm)