2025年
化学工業日報に当社に関する記事が掲載されました
化学工業日報(3月4日(火)付7面)に当社の機能性酸化チタンの開発品に関する記事が掲載されました。機能性酸化チタンを活用した電子部品材料を創出し、ICTの普及など社会課題の解決に寄与します。
お手に取る機会がございましたら、是非ご覧ください。
===製品情報===
■高純度酸化チタン
携帯電話、パソコンを始めとする電子機器に使用されるコンデンサ、フィルタ等のセラミック電子部品の材料。粒子径のバリエーションを数多く取り揃えており、汎用から最先端用途まで幅広い要求に対応することができる。近年は、スマートフォンなど電子機器のさらなる小型化・高性能化に貢献するため、材料設計に好適なタイプのラインアップ拡充に力を入れており、さらに、微粒子でありながら高度な分散性を備えた開発品のラインナップも進めている。高精度かつ信頼性が求められる領域への採用拡大を図る。
・MPT-894(開発品)
微小粒子でありながら、従来にはない高度な分散性を兼ね備えた高純度酸化チタン。
近年、自動車の電装化や5G(第5世代移動通信システム)対応として積層セラミックコンデンサ(MLCC)の高密度化とダウンサイジングが求められる中、MPT-894は、当社独自の技術による超微粒子化且つ優れた分散性を有し、従来の方法では限界であったMLCCの誘電体材料であるチタン酸バリウムのさらなる超微粒子化・高性能化・品質の安定化を可能とする。さらに、MLCC製造時の焼成温度を下げるなどMLCCの製法の自由度を広げる効果も期待できる。
■高屈折材料(開発品)
独自の粒子合成技術と表面修飾処理技術を駆使し、高い屈折率と透明性を兼ね備えた透明チタニア分散体。他では到達できない領域の高屈折率を酸化チタンで実現した。
本開発品は、高屈折材料として主に用いられているジルコニアよりもさらに高い屈折率を有しており、通常は屈折率を上げると透明性は損なわれるが、高屈折率と高透明性の相反する機能を両立させる。溶媒種としてはPGME、MEK、PGMEAなどを準備しており、現在、対象分野でのサンプル評価を推進中。光学センサーやポータブル映像デバイスなどの次世代光学材料分野での用途展開を図る。
・高屈折率ゾル LDシリーズ
超微粒子ルチル型酸化チタンを有機溶剤に均一に分散させた高屈折率ゾル。結晶系にルチルを使い、高い屈折率を実現することができ、ナノインプリントにも対応可能。ラインナップは、屈折率を重視した「LDK-142」と透明性に重きを置いた「LDK-152」の2種類を揃えており、スマートグラスに用いられるガラス基板向けを中心に、反射防止フィルムや有機ELディスプレイ関連材料などに採用を働きかける。
■高誘電率・低誘電正接フィラー(開発品)
フィラーの形状の調整により、誘電正接を低く維持したまま、高い比誘電率の実現を可能にする材料。今後普及が見込まれる通信規格である5G(第5世代移動通信システム)のミリ波(28ギガヘルツ)帯用アンテナ等向けで期待されている。
高誘電率は、従来球状であったフィラーの形状を細長くしたことが特徴で、棒状、針状とアスペクト比を大きくすることで誘電率を上げることが可能となる。一方、低誘電正接フィラーは、棒状、針状に形を変えても誘電率は低いままで、樹脂へのフィラー充填率を低くしても、比誘電率を高くすることが可能となるため、高周波通信分野で用いられる低誘電正接樹脂の誘電正接を上げることなく、比誘電率を所望に調整することができる。球状、棒状、針状の3種類のルチル型酸化チタンを揃えており、ミリ波帯対応スマートフォンだけでなく、5Gミリ波帯基地局、ワイヤレス給電などのアンテナ向けでの採用も目指す。